アレックス
全く同時に二人はとびすさった跳び退った。
はため傍目には五分と五分に見える戦闘だったが、当事者はその実力差を痛感していた。
アレックスは息があがっているのに対し、レイは息が全くあがっていない。しかもアレックスの傷は、レイの傷と比べるとそのほとんどが深い傷だ。
このまま戦闘を続ければアレックスが倒されるのは時間の問題だ。
アレックスはロングソードを下ろし、下段に構えた。
ロングソードの柄に埋め込まれているマジックストーンが淡いりょうこう菱光を放つ。
アレックスは剣を、10メートル離れているレイに向けて振り上げる。
「れっくうじん裂空刃!」
剣先から無数の風の刃が発生し、その一つがレイの右肩を切り裂いていった。レイの右肩から鮮血が勢いよく吹き出す。
アレックスは続けざまに風の刃を巻き起こし、レイを切り刻んでいく。その猛攻の前にレイはアレックスに接近することが出来ない。
しかも、この風の刃が視認する事が出来ないので、距離をとるのも難しい。
レイは一転して守勢に回らざるを得なかった。